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2018年11月 2日 (金)

三千三百四:翻訳事情や翻訳の面白さを考えて(その2)

(『三千三百四:翻訳事情や翻訳の面白さを考えて(その1)』からの続き)

だから、現在でも、何らかの言語を翻訳する際に、一般に名文とか名句とか称されている文章を翻訳者が翻訳する際には、翻訳者自身が、しっかりと考えて、それらを翻訳していることがわかる。

なぜならば、上記にも書いているように、それらの特殊な文章をAI翻訳ソフトが翻訳すれば、原作者の意図とは違った文章が作成され、その文章が非常に味わいの浅いものとなってしまうからだ。

翻訳者も、そのような文章を真剣になって、自分の頭を使って、しっかりと翻訳するので、ある意味、この手の翻訳作業は単純作業では無い。

また、翻訳者が、この手の文章を、真剣になって翻訳するので、つまり、名文とか名句の翻訳となるから、この翻訳は名訳と言われることがある。

当然ながら、世の翻訳者も、この時に自らに充実したものを感じるだろう。

以下、そのような翻訳文を紹介してみたい。

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「名訳」と言っても、ある翻訳文を人が読んで、それを名訳と感じるかどうかは、その人次第である。

だから、本来、「名訳」というものは存在しないかもしれないし、気が付いてみれば、私達は無数の名訳に取り囲まれて生活しているかもしれない。

(以下、Wikipediaより引用)
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●ハムレット
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%A0%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88

この台詞は有名ではあるが、訳すのが非常に困難だとされている。「To be or not to be, that is the question.」という文は、この劇全体からすれば、「(復讐を)すべきかすべきでないか」というようにもとれる。しかし、近年の訳では「生きるべきか死ぬべきか」という訳が多い。初期の日本語訳の代表的なものには、坪内逍遥の「世にある、世にあらぬ、それが疑問ぢゃ」(1926年)などがある[1]。

最終更新 2018年10月24日 (水) 08:19 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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(引用終わり)

有名な一文である。

  To be or not to be, that is the question.

確かに、現在での邦訳では上記文を「生きるべきか死ぬべきか。それが問題だ」と訳すことが多いようである。

この翻訳文を知ったのは、中学生の時の英語の時間だっただろうか。

上記の資料中では、誰が上記原文を、そのように訳したかは載っていなかった。

ただ、普通、「be」と言う動詞は、「~である」とか「~に存在する」という意味で主に使用される。
だから、上記原文中の「be」と言う動詞を「生きる」という意味で訳するのは、珍しいと思われる。

おそらく原文中の上記文の前後も流れも捉えて、「生きるべきか死ぬべきか」と日本語への翻訳者は翻訳したかと思われる。
このような翻訳自体も、とても、AI翻訳ソフトでは表現できない部分である。

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あるいは、多くの人も聞いた事のあるセリフだと思うが、

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 人民の、人民による、人民のための政治を行う。
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というセリフがある。

このセリフ自体も著作権切れであるから、人類共有の財産であり、引用する際に必要な「誰がその言葉を語ったか」を記載する必要は本来無い。
しかし、あえて、「これは有名な人の語ったセリフです」と書いておけば、知らない人ならば、ネット検索したりすることによって、「誰が語ったか」を知ることになるだろう。

また、そのようにして、自分で調査することにより、より味わい深く、その言葉の意味や、その言葉の語られた背景や、その言葉を語った人の真意を追求していけるかもしれない。
だから、あえて、そのセリフを語った人の名前をここでは記載しない。

このような名文も、以下のように訳せると思う。
私が訳したのだけど、英語原文とは違っているかもしれないし、似通った翻訳文を案出できるだろう。

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 People's , by people , for people , we must execute the politics .
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(『三千三百四:翻訳事情や翻訳の面白さを考えて(その3)』に続く)


 

                                       坂本 誠

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