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2017年7月10日 (月)

三千百四十二: 昨今の世間の求職情報を考えて

街を歩いていると、どこかのお店が「従業員急募」という貼り紙を出しているところを見かける機会がある。

きっと、そのお店が、すぐにでも、従業員を欲しいからだろう。

しかし、ハローワークに行った経験のある人ならば、ハローワーク内の求人広告に、「従業員急募」という単語を見かけたことが少ないと思う。

そして、ハローワークに掲載されている求人広告の、ほとんどが、俗に、空求人(からきゅうじん)と呼ばれているものが多い。

つまり、ハローワークに掲載されている求人広告を見て、面接に行っても、それで採用される求職者は少ない。

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しかし、ハローワークに掲載されている求人広告の件数等が、計算に使用されて、「有効求人率」と言って、マスメディアで多く報道されているのだろう。

当然、その「有効求人率」等々を発表しているのは役所機関だろう。

だから、空求人が多いのにも関わらず、それらの多くが「有効求人率」と算出されて、多くの人々に、流布されているので、私達がこれを見て、「これも、私達を囲んでいるマトリックスの要素の一つだろう」と感じることだろう。

(「マトリックス」の本当の意味は「行列」の意味だけど、この場合の「マトリックス」とは、映画『マトリックス』で有名になった、多くの人々に知られている「偽造社会」の意味である。)

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だから、メディア報道では、いかにも、有効求人率というものが高い値であるように聞こえるので、人々は、「多くの企業が多くの求職者を求めているのだろう」と思いがちだけど、実際には、俗に言われている、空求人と言う名の件数も多いと思われるので、真の有効求人率というのは、かなり低い値を示していると思われる。

早い話が、資本主義社会の目で見て、資本主義社会風の表現をすると、世には慢性の不況が続いている。

資本主義社会風の表現であるところの、「好況」と言う状態には、程遠い。

多くの企業が、求人情報をハローワークに出すみたいだけど、その求人情報をハローワークの壁にかける意味が掴めない。

自社の宣伝のためなのか、それとも、何らかの事情があるのか、それとも、ずっと掲載を続けて、よほど気に入った人材を発掘できれば、採用するつもりなのだろうか。

いずれにしても、ハローワークの壁にかけられている求人情報というのを見るに、人々は、「一般企業の側の、求職者を求めている熱意は非常に少ない」と感じるのではないろうか。

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それに比べて、冒頭でも紹介したように、「従業員急募」という貼り紙を出している店舗などは、本当に求職者を求める熱意があるらしい。

しかし、そのような求人情報に限って、なぜか、ハローワークの求人広告一覧には掲載されないようだ。

もちろん、その、「従業員急募」という貼り紙を出している店舗が、ハローワークに、その求人情報を掲載するかどうかの自由もあるだろうけれど。

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上の流れから、私達は二つの疑問を得ると思う。
その二つの疑問を書きだしてみると、

①:なぜ、「従業員急募」という貼り紙を出している店舗の求人情報が、ハローワークに掲載されないのか?
②:なぜ、ハローワーク内の求人広告には、俗に言われている空求人と呼ばれているものが多いのか?

しかし、ここでは、私達の得た二つの疑問の解明の努力までは私はしません。

きっと、ハローワークの側も、そのハローワークに求人情報をかけたい店舗側も、それぞれの、何か深い事情があるのだろうから。
また、それぞれを個別に見ていくと、とても追いきれる件数では無いだろうから。

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私達は、こんな身近な所からでも、マトリックスの構成要素の一つを見いだしたり、あるいは、「常識の嘘」と呼ばれるものを実感したりすることだろう。

今となっては、「私達が、その実感を得ることの方が大事ではないのか」と、私は感じてしまう。

言い換えてみると、私達の社会生活の中での「ズレ」と呼ばれるものを実感するのが大事だと思う。

(この段落の話題のように、あまり、人が触れたくないし、書きたくない話題も、時として、書くのは、必要に応じて大事な時もある、と感じてしまう。「社会の裏」と言うか「社会の真相」を実感するためにも。)


                                       坂本 誠

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