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2017年4月23日 (日)

三千百九: 続『私の見かけたニュース_No.98』

三千百八:私の見かけたニュース_No.98』の続編です。

前段を書いた後で、さらに感じることがありましたので、続編を書いてみます。

まずは、話の発端であるところのニュース記事を簡単に紹介しておきます。

(以下、『Gigazine』、2017/4/19記事より文章と写真を引用)
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●インターネット上のコンテンツを監視・削除するモデレーターの実態に迫る「The Moderators」
http://gigazine.net/news/20170419-moderators/

インターネット上にはポルノや暴力的なコンテンツが無数に存在します。
そんなコンテンツに日夜目を通し、不適切なものを削除するコンテンツ・モデレーターという仕事に迫るドキュメンタリームービー「The Moderators」が公開されています。

Field of Vision - The Moderators on Vimeo

コンテンツ・モデレーターは世界中のソーシャルメディアサイトやモバイルアプリ上から、15万個超のコンテンツを削除しています。
この数は同じ期間にGoogleが検閲して削除しているコンテンツ数の2倍、Facebookの9倍という驚くべき数です。

「この人は裸ではありません。

(、、、中略、、、)

_1

「みなさんFacebookアカウントを持っていると思います。そして、コメントや写真を投稿していると思います。それでは、Facebook上でポルノ写真を見たことがありますか?自身のFacebookアカウントを開いて確認してみてください。なぜFacebook上ではそういったコンテンツが見られないのでしょうか?」

「それはモデレーターがいるからです」

_2

「モデレーターとして、我々はインターネット上のアクティビティに目を光らせておく必要があります」

「もしもインターネット上にルールも規制もなければ、そこはカオスになるでしょう。よって、我々が自分の目で全ての場所を確認する必要があるわけです」

(、、、中略、、、)

「基本的にみなさんがやるべきことは、何が良くて何が排除されるべきかをしっかり理解することです」

「そのためには我々のクライアントが提示するルールや規則、ガイドラインをしっかり知る必要があります」

_3

「みなさんは何が良いものかをしっかり理解し、判断できるようになる必要があります。ひとつの間違いさえ犯してはいけません」

(、、、以下、省略)
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(引用終わり)


ここからが私のコメントです。

P4190222

 

まず、「ポルノや暴力的なコンテンツ」とか、「刺激の強い作品物」とか色々な表現があるので、ここでは今後、それらを「いかがわしい情報」と一括して書かせて下さい。

どうも、「いかがわしい情報」とされている種類にも、様々なパターンがあるようなので。

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■①:モデレーターとクライアントの行為を著作権から見てみると

『三千百八:私の見かけたニュース_No.98』では、「表現する権利」と「国民の知る権利が侵害されている」と書きました。

しかし「もっと重要なこともあるだろう」と思い至りました。

ネットの投稿者達が、何らかの表現物を投稿して、それが「いかがわしい情報である」とモデレーター達や、そのモデレーター達のクライアントが勝手に判断して、勝手に、それらの表現物を削除しているわけです。

これは、著作権の侵害行為ですよねぇ?

ねぇ、そうでしょ?

「投稿者達の表現物が、いかがわしいかどうか」を判断するのも重要なことでしょうが、それらを議論することも無く、また、投稿者達に何の呼びかけも無い状態で、投稿者達の表現物を「びりっ」と破くわけです。

どこかの誰かの表現物を「びりっ」と破いて、しかも、そのままの状態にしておくわけですから、「ある著作物に対する、著者の承諾無しの改変」ということにもなりますよね?

ですから、「『いかがわしい表現物かどうか』が議論されるよりも前に、著作権の侵害行為が発生しているんじゃないのか?」と、読者の方々は驚くのではないでしょうか。

しかも、大量に、、、

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この状態を書店に並んでいる本で喩えてみましょう。

多くの本が書店に並んでいますが、ある人(上記文章中だとモデレーターやクライアントに相当する)がやって来て、その人が勝手に、本の中身を破って、そのまま、その中身の破った本を、本棚に返す行為に等しいでしょう。

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ビデオ中では、モデレーター達は、いかにも真剣な顔つきで、自らの業務に厳しく臨んでいるように感じます。

P4180193

 

しかし、それほど、自らの職務に対する真摯(しんし)さがあるのならば、「自分達の業務は、著作権の侵害行為では、あるまいか?」という気付きを得ないといけないのではないでしょうか。

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私はインドの法律には詳しくないし、「インドの法律に詳しい」という日本人は、ほとんど皆無でしょう。

つまり、私はインドの法律がどうなっているかわからないのですが、インドの司法関係の方が、このビデオを見たら、鳴り物入りで驚いて、インドの巷では騒ぎが起こるのではないでしょうか。

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■②:いかがわしい情報をどのようにして判断するか

あと、この手の「いかがわしい情報とは何か?」とか「いかがわしい情報をどのようにして判断するか?」という疑問があります。

以下に喩え話を会話形式で書いてみます。
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◆Aさん:
「Bさん。あなたの作品は、いかがわしい作品です。その作品の公表を取りやめて下さい」

●Bさん:
「Aさん。私から見ると、私の作品は、まったく、いかがわしいとは感じません。あなたの自意識過剰から、あるいは、あなたの個性によって、私の作品がいかがわしいと感じるのでしょう。ですから、それは、あなたの主観ですから、私の作品を取り下げなくても良いことになります」

◆Aさん:
「Bさん。しかし、私は今日、私の10人の友人を連れて来ました。その、私の10人の友人は、口をそろえて、『Bさんの作品はいかがわしいと感じます』と言っています」

●Bさん:
「Aさん。私も今日、私の20人の友人を連れて来ました。その、私の20人の友人は、口をそろえて、『Bさんの作品はいかがわしいとは感じません』と言っています」
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つまり、「何かの作品をいかがわしいと感じる」というのは、この世での私達は十人十色であるので、「ある人は、Bさんの作品には、いかがわしいものを感じ」、別のある人にしてみれば、「Bさんの作品には、いかがわしいものを感じない」となります。

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ですから、この手の「いかがわしい作品物を取り締まる」とされているルール(法律)は、ほぼ、その成立根拠から成り立たない、ということがわかるでしょう。

P4190211

 

つまり、私達の感じ方、考え方は十人十色なので、誰も、いかがわしいと思われる情報を「いかがわしい」と証明したり、断定することは出来ないことがわかります。

Aさんにとっては、Bさんの作品は「いかがわしい」となり、Bさんにとっては、Bさんの作品は「いかがわしくない」となるからです。

ルールというものは、本来、それを使用する全ての人が、ある状態に納得しないと成り立ちません。

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わかりやすい感じで書くと、上の例をそのまま使うと、日本人の全てが、Bさんの作品に対して、「いかがわしい作品だ」と、認めないと、「いかがわしい作品物を取り締まる」とされているルールを当てはめる(適用)ことが出来ないのです。

日本の法律ならば、日本人の全てに、そのルールを当てはめる(適用する)のですから、全ての日本人が、Bさんの作品に対して「いかがわしい」と認めないといけないのです。

しかし、上の喩え話にもあるように、Bさんの20人の友人達が、「Bさんの作品はいかがわしいとは感じません」と言っているのですから、Bさんの作品は、全ての日本人がいかがわしいと感じていないので、Bさんの作品はいかがわしくはない、と判断できるでしょう。

そうでないと、Bさんを取り締まろうとしているAさんと、Aさんの10人の友人達の、個人的な思いによって、そのルールを使って、Bさんを取り締まろうとしている、となるからです。

全ての日本人ではない、AさんとAさんの友人達は「一部の日本人」ですから、「一部の日本人の個人的で主観的な感情から、Bさんを取り締まろうとしている」となるでしょう。

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上の流れからわかると思うのですが、「『いかがわしい作品物を取り締まる』とされているルール」の成立根拠自体に、非常に疑問を感じるものがある、と、読者の方も感じると思います。

結局、「『いかがわしい作品物を取り締まる』とされているルール」存在すらも、「これはおかしいな」と考え出すでしょう。

つまるところ、「『いかがわしい作品物を取り締まる』とされているルール」は、「ほぼ無効だ」と考えられるでしょう(つまり、このルールは成り立たないでしょう)。

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しかし、現実に、そのルールが存在しないとなるので、「私は、いかがわしい情報から、どうやって身を守れば良いのか?」となるでしょう。

P4190219

 

どんな人でも、その人にとっての「いかがわしい情報」があると思います。
もちろん、その個人差によって、それこそ、「いかがわしい情報」というものが千差万別に存在していることになります。

ある人にとってしてみれば、可愛い動物の写真が、その人にとっては「いかがわしい情報だ」というケースもあることでしょう。

結局、どこかから、「この情報は、(私にとっては)いかがわしい」という噂等を聞きつけたりしたら、自ら、その手の情報から、立ち去ったり、離れたりした方が良いだろう、と思います。

また、そのような噂を聞いただけでは、それを聞いた本人にとって、本当に、いかがわしい情報かどうかはわかりません。

その手の情報に触れて、いかがわしいかどうかを判断するのは、その情報を聞いた人のみです。

この点、自分自身のハートに聞いて、その手の情報の是非を、自分一人で決めないといけなくなるでしょう。


                                        坂本 誠

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