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2016年10月11日 (火)

三千四: 『明日は、今日より強くなる』を読んで

明日は、今日より強くなる』。
"Tomorrow , I will become stronger than me on today ."

女流プロ雀士の姉妹、二階堂亜樹、二階堂瑠美氏の共著である、『明日は、今日より強くなる 女流プロ雀士 二階堂姉妹の流儀』(KADOKAWA)の本のタイトルです。
右の写真は、Amazonの広告からの引用です。

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いつか、どこかで、多くの人も、「明日は、今日より強くなる」とか「明日は、今日よりもっと良くなる」という言葉を聞いたことがあると思います。
しかし、改めて、『明日は、今日より強くなる』と、本のタイトルにもなり、その本を手に取るたびに、真っ先に『明日は、今日より強くなる』と、本のタイトルが目に飛び込んできて、自然に自分自身に言い聞かせてみると、自分の心の奥底に、ふつふつとちから強さが湧いてくるのを感じる人も多いのではないでしょうか。

勝負師の方が、『明日は、今日より強くなる』と口に出せば、それは自分の腕が向上することを意味するでしょう。
しかし、勝負師でない人にしてみれば、この言葉は、「明日は、今日よりもっと良くなる」あるいは「明日は、今日よりもっと幸せになる」という言葉に言い変えることができるでしょう。

「なんと肯定的な言葉だろう」と、人は感じるかもしれません。
どこかで聞いたことのあるような言葉でも、改めて、意識的に、何度も繰り返し、その言葉を噛み続け、玩味していると、その言霊(ことだま)などを人は趣深く感じるようになるかもしれません。

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最近は、将棋や囲碁等の知的ゲームのジャンルでも、何気ない自伝的なエッセーの本を見かけるようになりました。
もちろん、将棋や囲碁等の知的ゲームのジャンルでは、圧倒的に、「定石解説・研究」とか「セオリー分析」あるいは「上達方法」が書かれた本が多いです。

しかし、最近では、それらの世界に従事している人々が、「定石解説・研究」等の類の本だけでなく、さりげない、日常生活の自分を題材にしたエッセーなどの本も増えています。

彼等は自分の属している世界での上達を目指しているのですが、いざ、「自分のいる世界(仕事)が、自分にどのような影響を与えているか?」という、疑問に答えるようなエッセーも増えてきています。

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一人の人生があります。
その人の人生において、幾つかの職を選ぶことは可能です。
しかし、「自分の職業が、どのように自分に影響を与えているか」を、時々、振り返ってみることは、大事なことだと感じます。

ある意味、自分の職の技術を高めることよりも、「自分の職が、どのように自分の人生観を作っているか」の方が、遥かに、質的に大事なことだと思います。

なぜならば、その道の技術だけを研鑽できても、不幸を感じる人もいるでしょう。
なので、技術向上だけでなく、「その道を歩んでいる時に、どれだけ、自分がその道に幸福を感じているか、あるいは、感じたか」の方が、ウェイトが高いでしょう。

技術の高下よりも、幸福感の高下の方が、多くの人は大事さを感じるからです。

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現在、人の世に数多くのジャンル(仕事)があります。
そして、そのジャンルの多くには、そのジャンル内の技術を計るために、数え切れないぐらいのテストがあります。
それらのテストを使えば、私達は簡単に自分の技術力の高下を図ることができます。
その自らの技術の高下を見て、私達は一喜一憂するかもしれません。
その自らの技術の度合いを確認して、幸福を感じる人もいるかもしれません。

しかし、人がある道の上にいて、自分の技術の度合いを知ることよりも、自分の選んだ道の上で、「どれだけ幸福感を感じるか」の方が、技術の度合いよりも遥かに、人に重要なことがわかります。
上にも書いたのですが、その道の技術のみを研鑽し続けても、不幸を感じる人もいるからです。

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反対に、自分の選んだ道から得られる幸福感を数値にすることは難しいものです。
また、自分の幸福感が数値的に表されたら、それこそ、自分の選んだ道に、喜びの姿勢とか追求の姿勢等が現れなくなるかもしれません。

「そのジャンルの世界での技術テストでは、私は何点か?」という疑問よりも、「そのジャンルの世界で、私はどれだけ幸福か?」という後者の疑問の方が、かなり深遠で味わい深いものだからです。

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ですから、本来ならば、「定石解説・研究」の類の本よりも、そのジャンルの道で得られた「人生観」が語られた本の方が、ずっと価値が高いと私は感じます。

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将棋、囲碁、麻雀にとどまらず、様々なジャンルの道があります。
その他のジャンル上の人も、自分なりの技術本を世に出しています。

しかし、そのような自分なりの技術本を世に贈る人々でも、ときおり、自分の職を題材とした「人生観のエッセー」とか「自伝的エッセー」の本を出してもいます。

そして、どちらかと言うと、後者の方である、「人生観のエッセー」とか「自伝的エッセー」の方が、より多くの読者に共感され、求められるケースが多いのを見かけます。

これはなぜかということも書いてみたいと思います。

自分なりの技術本を世に問うても、その本の読者は、その手のジャンルを好む人にしか受け入れられないからです。

例えば、建築に関係した人が、建築技術上の自分の得た大量のノウハウを詰め込んだ本を世に出しても、建築技術に関心の無い人から見たら、その本を必要とはしないからです。

しかし、その建築に関係した人が、自分の仕事上で得られた、人生に対する深い洞察とか、職業観とか、その仕事上で得られた幸福感とか、あるいは、建築の世界を超えて、様々な人間社会のジャンルに普遍的な教訓が書かれた本などは、建築技術に関心の無い人でも、そのような本を求めたりもします。

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なぜならば、そのような本の中は、その人の人生観や哲学が描かれることが多く、そのジャンルの専門知識や専門用語なども、ほとんど無いから、他のジャンルの人でも、その本を読めるからです。
また、味わい深く読めます。
また、建築の世界を超えた、多くのジャンルに必要とされる共通知識と呼ばれるものが、書かれており、それらを読者の方のジャンルにも、応用知識として、組み込めるからです。
また、3番目には、建築に関係した人が、その自伝的な本を書いたのですから、他の人から見て、「建築業界に入れば、このような幸福感を味わえる」とか、その他の点においても、様々な参考となる情報が多く記載されているからです。

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ですから、この記事でも紹介している書籍『明日は、今日より強くなる 女流プロ雀士 二階堂姉妹の流儀』も、中を開いてみると、麻雀に関したセオリー紹介とか定石紹介とか技術向上のための新テクニックといった類の情報は一切書かれていません。
書かれているのは自伝的なことであったり、あるいは、その道の上で得られている自分自身の人生観のみが書かれています。

ですから、全く、麻雀を知らない人でも、「この人の選んだ人生行路の上で、この人は、どのような幸福を見出したり、あるいは、人生哲学の上で、どのような新しい発見を得ているだろうか」の視点から、同書を読むことができます。

なので、このような本を見て、人が感じるのは、人間ドラマでしょう。
数多くのテレビ・ドラマや映画などで、それぞれの職業ジャンル上で有名になった人のドラマがあります。

自分の選んだジャンルでは無いけれど、このような、他の人の人生行路が描かれたドラマを見て、自分の人生のための有意義な参考情報を得られます。

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長くなったのですが、同書『明日は、今日より強くなる 女流プロ雀士 二階堂姉妹の流儀』を、麻雀を知らない人が読んでも、中身を読む前に、同書のタイトルがそのまま現しているように、

  「明日は、今日より強くなろう

とか

  「明日は、今日よりもっと良くなろう(良くしよう)

とか

  「明日は、今日よりもっと幸せになろう(幸せを作ろう)

という、座右の銘(ざうのめい)にしても良いような、あるいは、常に右肩上がりのグラフのような、肯定的な言葉を、すでに得られたと思います。


(以下、日本の名言に関する過去記事、関連記事、及び、参考文献)
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『二千九百六十六:ゲーム(独白)』
http://hikari-to-kagayaki.blog.bbiq.jp/blog/2016/08/post-d3c8.html

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 「奇跡は誰にでも一度は起きる。だが誰も起きたことには気づかない

                『わたしは真悟』(楳図かずお 作)より引用

  Everybody has had a miracle once .
  But , nobody has realized the miracle at all .

                 quotation from "MY NAME IS SHINGO ."
                   Author:Umezu Kazuo
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『二千七百八十一:映画、蒼き(あおき)衣の者を見て』
http://hikari-to-kagayaki.blog.bbiq.jp/blog/2015/12/post-730d.html

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    その者 蒼き衣を まといて
    金色の野に 降り立つべし。
    失われし 大地との絆(きずな)を結び、
    ついに 人々を蒼き清浄の地に導かん。

                          (映画『風の谷のナウシカ』より)

    The person in blue
      should fall down on the gold field.
    The person will bind the lost tie with our Earth,
      and will lead people to the blue and pure land , finally.

                 (quotation from "Nausicaä in the Valley of Wind")
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                                        坂本  誠

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