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2015年12月27日 (日)

二千七百九十二: 本屋さんを考える_No.2

二千七百八十:本屋さんを考える』の続きです。

まずは、私の気になりましたニュースから、ご紹介させてください。

(以下、『朝日新聞デジタル』、2015/12/24記事より文章と図を引用)
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●アマゾンが本の値引き販売 根強い警戒感、参加1社だけ
http://www.asahi.com/articles/ASHDD6H53HDDUCVL01W.html?iref=comtop_rnavi_arank_nr01

ネット通販大手のアマゾンが、刊行から一定期間を過ぎた一部の本の値引き販売を始めた。

Photo


本は再販売価格維持制度に基づく定価販売が普通だが、出版社から“要望”のあった本の値引き販売は認められている。
ただ、参加するのは1社のみ。
出版界の慣行を揺さぶる「黒船」への警戒感は根強い。

「再販制度で競争原理働かず」アマゾン書籍担当・村井氏

参加するのは筑摩書房。
「フローベール全集」など8タイトルで、当面は来年1月中旬ごろまで定価の2割を値引きする。
アマゾンの値引き販売は6月に続いて2回目だが、5社の計約110タイトルだった前回から大幅に減った。
しかも筑摩は約100の一般書店でも同様の取り組みをすでに始めており、今回はアマゾンが筑摩の取り組みに乗った形で、アマゾン単独の値引き販売に参加する出版社は今のところゼロだ。(、、、以下、省略)
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(引用終わり)

本屋さんの流通システムの問題です。
上記の記事と図からわかることですが、要するに「書籍問屋さんを通さずに、書店に本を並べたら、本の定価を安くする事が出来るのでは?」というのが、紹介した記事の趣旨です。

一緒によく考えてみましょう。
問屋さんの問題ですから、話は本屋さんだけとは限りません。
お店勤めではない人は、普段、この問屋さんの事について深く意識しないと思います。
ですが、私達がほとんどのお店の背後には、問屋さんがいます。
一般消費者の人達は日頃は、問屋さんの事を意識せずにショッピングをします。

問屋さんの説明を以下に紹介させて下さい。

(以下、『wikipedia』より引用)
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●問屋
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%95%8F%E5%B1%8B

問屋(といや、とんや)とは、現代における一般的意味としては卸売業者を指すが、歴史用語及び法律用語として用いられる場合は異なる意味を持つ。
詳細はそれぞれの節に記す。

一般的意味

卸売業者のこと。

歴史上の意味

鎌倉時代に運送、倉庫、委託販売業を兼ね、後には、一般の商品も取り扱うようになった組織問丸に由来する。
室町時代には問屋と呼ばれるようになり、やがて運送専門や卸売専門に業種分化しても、各々が問屋と呼ばれた(干鰯問屋・両種物問屋など)。
江戸時代、領主と住人の仲介者として宿場町の自治行政を行うと共に問屋場を管理した町役人(宿場役人)の長。
多くは本陣を経営した。
廻船問屋は江戸時代に至っても運送業と卸売業の性格を併せ持ったままであった。

(、、、中略、、、)

最終更新 2013年7月22日 (月) 04:22 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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(引用終わり)

つまり、問屋さんとは、お店の背後にいる、主に配送サービスを担当している存在だとわかります。
街に行けば、私達は数多くの店を見かけ、その店には多くの品が陳列されています。
その多くの品を集荷したり、多くのお店に配送するのが問屋さんの仕事だとわかります。

お店一軒だけでは、全国に散らばる数多くの商品を集めて、その数多くの商品を自分のお店に持ってくる事が難しいかもしれません。
ですから、お店の背後に問屋さんがいて、お店の欲しい品の主な産地の主な物産を集荷して、それをお店に配送している業務だとわかります。
もちろん、現代では、「問屋さん」と「運送会社」が同じとは限りません。
しかし、伝統的に問屋さんは子会社として運送会社を持っているケースも多いようです。

どこかのお店の店員さんも、いつも見慣れたトラックの運転手を見かけると思います。
しかし、そのトラックの運転手さんは運送会社の人が多いのですが、トラックの運転手さんが「問屋さん」とは限りません。

問屋さんの問題ですから、この記事の本質は書店に限らず、様々な販売業務に該当するのですが、過去記事とのつながりもありますので、わかりやすい例として、本屋さんの流通システムを取り上げます。
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上の『wikipedia』の引用文でも紹介したのですが、少なくとも、日本の問屋さんの歴史は古い事がわかります。
鎌倉時代から問屋さん業務が成り立っていたとわかります。

ですから、この問題は一つは「伝統の問題」とも言えるでしょう。

「伝統の問題」となると、過去からの人間関係のしがらみも多いので、考えにくくなるので、ここでは、問屋さんが、現代の日本、少なくとも20年ぐらい前に発足したと仮定します。
そうなると、大体、それぐらいから業務が始まっている、宅配便運送の事を私達は思い出す事が出来ます。

現代では、「宅急便」とか「宅配便」等のように、直接、消費者の手元まで、つまり、その家の玄関まで何かの商品を運ぶ業界が出来上がりました。
つまり、運送業務の面でも、私達の社会に新しい運送サービスが出来た事がわかります。
昔の世界では、この「宅配便業務」というサービスは一切無いぐらいでした。
あるとすれば、郵便事業ぐらいでした。
この「宅配便業務」が、現代の流通サービスに与えている影響が大きいと思われます。

アマゾンが本の値引き販売 根強い警戒感、参加1社だけ」を読んでも、なんとなく予想がつきます。
インターネット・ショップでの購入物のお届けは、ほぼ「宅配便業務」が代行しているからです。

ですから、「アマゾンが本の値引き販売 根強い警戒感、参加1社だけ」のような流れの背景には、運搬として「宅配便業務を使用できないか」という狙いがあるかと思われます。
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ここまで来ると、問屋さんと宅配便業務の違いが見えてきます。
問屋さんの方は、数多くの運送会社を使って、全国に散らばっている数多くの物産を集荷している事に気がつきます。

しかし、「宅配便業務」の方は、多くの工場を回って、物産を集荷していないように見えます。
元々、「宅配便業務」というのは、どうも、個人消費者向けのような気がします。
ですから、法人向け(会社向け、つまり、普通のお店に向いたような)のように、多くの工場から物産を集荷していないように見えます。

これが問屋さんと宅配便業務の違いと言えるのではないでしょうか。

ですから、小規模で、多くの工場を回らない程度の集荷が出来るのならば、「宅配便業務でも、出来るのではないのか?」という気がします。
もっとも、私はお店の人間ではありませんし、運送コストの面においては知りませんから、電卓までは弾きません。
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お店に勤めていない人からしたら、普通、多くの店に並んでいる品物を見て、あまり、その背後で仕事をしている問屋さんの動きまでを気にした事は少ないと思います。

ですから、私達は「現代だったら、問屋さんを通さずとも、宅配便業務で全部やれるのでは?」という素朴な疑問も出るかもしれません。

ですが、ちょっと調べてみると、「問屋さんの歴史は鎌倉時代から続いている」となると、伝統の問題も出てくるだろうし、「店に並ぶ多くの品々の集荷の点はどうなるのだろう」という、ちょっと、奥まった疑問も出てくるのだとわかります。

「流通システム」の問題だと、トラックのガソリン代ぐらいならば、思い浮かべやすいものですが、改めて深く掘り下げると、色々な事が見えてくるものだと感じました。

また、「流通システム」という、結構、普段、意識していない問題がクローズアップされると、何かの新しい視点が私達に得られるような気がします。


                                        坂本  誠

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