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2015年5月 7日 (木)

二千四百七十五: 大型商業施設の歴史を考える

私が時々書いている大型商業施設の話題です。
歴史的な面も考えて書いてみました。

最近の大型商業施設の構造は、一般家庭の家屋の構造に似ています。
普通の家ですね。
大型商業施設の内部が、一般家庭の「家」の作りに似てきています。

ですから、最近の大型商業施設を訪れてみると、窓が多く、施設の外部を落ち着いて眺める事が出来ます。
また、吹き抜けも多いので、建物の外部の自然光が入ります。
また、フロアーも絨毯を敷き詰めた所が多いです。
絨毯を敷き詰めていると、どことなく、暖かい感じがします。
また、所々に置かれてある椅子もふわふわした材料で作られているものが多く、人々がくつろげる環境が多くなってきているのが、現在の大型商業施設の特徴です。
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しかし、大型商業施設の歴史を見てみると、上に書いた特徴は、私が感じるに、大体、西暦2000年以降に作られているようです。

昔の大型商業施設は、「百貨店」と言われていました。
現在でも、「百貨店」の名称は使われますが、圧倒的に、「大型商業施設」という名称が使われるようです。

名前が「百貨店」時代だった頃の大型商業施設の作りを書いてみます。
このタイプの大型商業施設は現在でも数が多く残っていますが、オフィスに近い作りをしています。
つまり、ビルですね。
何階建てかのビルが多いです。
そして、ビルだからか、あまり窓がありません。
ですから、消費者が訪れても、あまり窓の外の景色を見ることが出来ません。
当然、自然光を取り込む作りも少なくなってきます。

また、ビルの作りだと、どうしても吹き抜けが少なくなってきます。
また、なぜか冷たい雰囲気の床の状態が多いです。
あまり、絨毯を敷き詰めているところが少ないようです。

ですから、以前のタイプの大型商業施設は、どことなく、会社のオフィスという雰囲気が強いです。
そのためからか、最近、建設される大型商業施設は、ほとんど、冒頭で書いたような「住宅」の雰囲気が強いです。
ですから、最近の大型商業施設は消費者にくつろぎを与えている感覚が強いです。
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誰が、最初に大型商業施設の作りを変えたのかはわかりません。

しかし、この流れも多くの人のニーズになってきていると感じます。
やはり、休日の家族連れで、ショッピングをする時には、くつろげる雰囲気のある場所に行くと思います。

以前のオフィス型の大型商業施設だと、どうも、くつろげる感覚が少ないかと感じます。
これも時代の流れだと感じます。

また、多くの人のニーズとして、ショッピングの時間には、くつろぎを求めるのが自然の感覚になってきたと思います。
ですから、大型商業施設も雰囲気が変わってきたと思います。
また、大型商業施設も場所によっては、軽く人が散歩できたり、店そのものが喫茶店のような雰囲気をしているところもあります。
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ですから、大型商業施設の持ち主の意向が、よくその建物の雰囲気に現れています。
大型商業施設の設計をするのは建築家です。

しかし、一般の住宅もそうですが、家の持ち主の意向が建築家に伝えられます。
大型商業施設の持ち主の「こんな家(大型商業施設)にしたい」とか「あんな家(大型商業施設)にしたい」という、大まかなイメージが建築家に伝えられます。
そして、その意向に沿って、建築家が大型商業施設の設計をします。

以前の大型商業施設は、ビル型のものが多かったので、持ち主の意向があまり伝えられなかったのではないかと感じます。
最近では、大型商業施設も一般の住宅のように、持ち主の意向が充分に反映されるような作りになってきていると感じます。

この辺りも時代の変遷と言えるでしょう。
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なので、最近の大型商業施設は、街の郊外に作られるようになりました。
都会の中心だと土地が無く、仕方なく、ビル型の大型商業施設になるでしょう。

私の記憶もそうですが、皆さんの記憶からしても、「最近、ビル型の大型商業施設が街の中に作られている」という光景を見た人は少ないのではないでしょうか。
中には、「ビル型の大型商業施設が街の中に作られている」という光景を見た人もいると思いますが、現在では、かなり減少していると思います。

ビル型の大型商業施設が街の中に作るとリスクが感じられます。
以下に考えられる点を列挙しますと、

1.土地代が高い。
2.土地を購入できても、少ない売り場面積となる。
3.当然、ビル型の大型商業施設となり、オフィスに近い感覚になる。
4.街の真ん中に立てるため、駐車場のスペースを作る事も必要となり、当然、顧客から駐車料金を頂かないといけなくなる。

ところが、最近の大型商業施設は郊外に作られることが多いので、上のリスクを避けている事になります。
結果、顧客がくつろいだ感覚でショッピングをしている事がわかります。
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そして、いったん、この方式になると、人はくつろぎやすい空間である大型商業施設に向かうようになります。
ストレスの少ない買い物ですね。
街の真ん中までも出て行かずに済む。

すると、同じ品でも、街の真ん中で売られている品の方が安くても、日頃通いなれていないので、少し値段の高い大型商業施設の内部での品の方を買うケースが生じてきます。

ですから、消費者にしても、全てが全て、安い値段のみを求めているわけではない事がわかります。

同じ商品購入にしても、「店にくつろげる雰囲気があるか」とか「店に癒しの雰囲気があるか」で、消費者は品を選んでいる事がわかります。
あるいは、「大型商業施設の景観や内装を楽しめるか」とか「店の外部の景観は楽しめるか」という趣向もあるでしょう。

結局、消費者も、「単純に安い品を手に入れるだけでいい」という考えではなく、もっと総合的に、ショッピングを楽しむようになったと言えるでしょう。
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また、お店にしても、スーパーマーケットとか商店街とかコンビニとか専門店と色々とあります。
私が書いたのは、大型商業施設について書いたのであって、スーパーマーケットとか商店街とかコンビニとか専門店とは違います。
それらの店では、大型商業施設とは違う感覚で、品を消費者に提供したいところもありますし、様々な店のタイプもありますので、趣向自体を一口に言えるものではありません。

例えば、大型商業施設とは違って、「安さで勝負したい」とか「豊富な品揃えで勝負したい」とか「専門的な品を消費者に提供する事により、勝負したい」とか、個々の店の意向は様々なので、とても一口に書けたものではありません。
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だいたい、最近では、どこも街の真ん中の方にあるお店は苦戦を強いられていると報道でも言われています。
これは、日本では、大体、同じ傾向をたどっているでしょう。

この傾向自体が、大型商業施設の郊外進出や、マイカー所有の人々が増えた結果、あまり、街の内部に出かけても、駐車場の事を気にする消費者が増えた結果、郊外の大型商業施設へと向かう消費者が増えたと考えられるでしょう。
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いずれにしても、時代の変遷と共に、ショッピングを楽しむ消費者の傾向が上に書いたように、変化があったと書けそうです。

私にしては、ショッピングの話題を書くのは珍しい事ですが、要するに、一言で書けば、時代の流れと共に、消費者のショッピングの際にも、よりいっそうの癒しとかくつろぎの感覚を求めてのショッピングが増えた、と言えそうです。

もっとも、人々の求める所が変われば、上記のような大型商業施設の作りも変わるでしょう。

例えば、多くの人々が美術や芸術を愛するようになれば、当然、美術館のようなスタイルをした大型商業施設が現れると思います。
時代の流れと共に、人々の趣向も変わりますので、美術館スタイルの大型商業施設が現れる可能性も将来的にはあるでしょう。

しかし、最近のトレンドの方向性として、多くの人々が癒しとかくつろぎを求める方向性は、あまり変わらないと私は感じます。
ですから、今後、しばらくの間は、大型商業施設の作りは「より家庭的な」とか、アット・ホーム的な雰囲気を持った大型商業施設が郊外に作られていくのではないかと感じます。
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ですから、一昔前だと、「街の中心部が一番素晴らしいのだ」という考えがあったのですが、もう一概に言えないと感じます。

上にも書いたように、今後しばらくの間は、商業的な事は分散的な雰囲気が続くような気がします。

 

                                        坂本  誠

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