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2015年5月 1日 (金)

二千四百七十一: 『伝説巨神イデオン』を見て

こんにちわ。

今日は、映画『伝説巨神イデオン』の感想を書いてみたいと思います。
アニメ『ガンダム』シリーズの監督でもある富野由悠季さんの製作アニメの一つとして、イデオンは知られています。

富野由悠季さんの手がけたアニメは多いのですが、一番有名なのはガンダムシリーズです。
しかし、私としては、実はイデオンの方が好きです。
ガンダムシリーズも何回も見ているのですが、映画としてはイデオンを見た回数の方が多いです。
しかも、ガンダムシリーズはその後、何作もシリーズが続いていますが、この『伝説巨神イデオン』は後続となるようなシリーズは生まれていません。
この『伝説巨神イデオン』のたった一つのシリーズがあるのみです。
この対比から見ても、ガンダムとイデオンには、かなり違ったものがこのシリーズに込められている事がわかります。
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簡単なあらすじを書きます。

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遠い未来に、人類が宇宙に出て、様々な宇宙空間で居住できる惑星を探し、そこに移住する事がシリーズの冒頭で紹介されています。
そして、人類がある惑星にたどり着き、そこで移民星としてやっていく最中に、その惑星に居住していたと思われる異星人の遺跡を発掘します。
その異星人の痕跡は、現在は滅びてしまった文明人なのですが、その過去の文明人のエネルギーとして、『イデ』と呼ばれるエネルギーを使用していました。
シリーズが進むにつれ、この『イデ』というエネルギーは、無限のエネルギーである事が証明されて来ます。
つまり、「無限エネルギー」ですから、使い方によれば、全宇宙も消滅させてしまう事になります。
また、この『イデ』というエネルギーは、意識を持ったエネルギーである事もわかってきます。
そのエネルギーのあり方とは、幾億幾千億もの、つまり、数もわからないほどの意識の集合体であることもわかってきます。

これが、その惑星に以前に居住していた文明人の使っていたエネルギーでしたが、その文明人は滅んでも、エネルギー『イデ』は、意識でもありますから、そのエネルギーが消滅する事はありません。
過去の文明人が滅んだ後、長い時間が経って、エネルギー『イデ』は2つの地球に向かって、サインを送る事にしました。
2つの地球に向かって隕石を送り込み、不審に思った人々が、その惑星に調査しに来るのです。

その一つの地球が私達の地球です。
そして、もう一つの地球が「バッフ・クラン」と呼ばれる地球です。

そして、その2つの地球人類が当の惑星で接触します。
そして、ある程度のいきさつはあるのですが、その2つの地球人類は交戦状態に入ります。
その後、この2つの地球人類は激しく戦います。

2つの地球人類は、このエネルギー『イデ』が宇宙の究極のエネルギーである事を知ります。
ですから、お互いに、このエネルギーを手に入れて悪用したいと願う者。
また、「相手の持つ宇宙究極のエネルギー『イデ』が自分達に兵器として向けられた時、自分達は破滅してしまう」という恐れから、戦います。

(テレビ・シリーズも合わせるとかなり長いストーリーになるので、大分、あらすじも省略しています。)

エネルギー『イデ』は何度も、2つの地球人達に仲直りするように機会を作ります。
しかし、善意の人々も奮闘するのですが、戦闘を考える人々のために、その仲直りの機会は駄目になります。
映画を見ていても、たいてい、その戦闘を考える人の目的は、小さな自己の欲望を満たすために動いていました。

結果、エネルギー『イデ』は、2つの地球人を滅ぼす事に運命を定めました。
そして、2つの地球人はその運命に逆らおうとする光景が映画の中の壮絶なシーンで描かれています。

そして、物語の最後では、両者とも何のために戦っているのかもわからず、ただ、ひたすら戦闘をしているだけになりました。
そして、2つの地球人種が滅びますが、広大な宇宙空間の中で、漂うのは肉体を抜けた魂達です。

魂になれば、争う必要もないせいか、2つの人種の魂達は争う事も無く、以前は敵であった人々とも語ります。
広大な宇宙空間を、様々な魂が漂い、やがて、2つの人種は共に生活する惑星、つまり新天地に向かって宇宙の中を飛びます。

新天地である、新しい惑星には海があるものの、いまだ生物が存在していないようです。
そして、数多くの魂がその原初の海の中に飛び込みます。
そして、その惑星で新たな天地創造が始まります。

ここで、この映画は終了します。
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あらすじだけでも長いものになりました。

結果から言えば、2つの人種の終わりと見えたものが、新たな始まりとなるのです。
『イデオン』はアニメ作品ですが、あらすじを書いただけでも、その壮大さが伝わると思います。
「天地創造」という単語を使いましたが、この単語の雰囲気でもわかるように、この映画自体も長編叙事詩とも言われています。
また、この映画は「スペース・オペラ」とも言えるでしょう。

人がこの映画を見て感じるのは、

  「何かの終わりが、何かの始まりになる」

かも知れません。

映画全体のストーリーや設定は、大変大規模なものがあります。
しかし、この映画が伝えたい事は、私が上に書いた、たった一言、

  「何かの終わりが、何かの始まりになる」

の一言にしか過ぎないように感じるのです。
このたった一つのメッセージを送るために、「巨大な設定が設けられていた」というのも、何かの畏怖の念を感じないでもありません。

また、たった一つのメッセージを送るために、劇中の人物達は、広大な宇宙空間をさまよい、激闘を繰り返し、愛と涙を繰り返し、悩み、、、それこそ、長い長い、数多くの人間ドラマが作中で演じられています。

しかし、この映画が伝えたい事は、私が上に書いた、たった一言、

  「何かの終わりが、何かの始まりになる」。

この対比にも、呆然としてしまうものがありました。
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「呆然とした」という状態は、私が小学校の頃に、この映画が劇場で放映されたのですが、満席であり、立ち見で映画を鑑賞し、ラストまで見た時に呆然としていたものでした。

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あまりにも「圧巻」とでも呼べるようなものを見た時に、人は何か魂を抜き取られでもしたかのように、何も考えず、映画の黒幕が静かに下がるの見るだけです。
あまりにも壮大なものを見た時、人は思考能力を失う時があります。
それがこの時でした。

そして、幾ばくか時間が経って、我を取り戻し、映画館の外に出てみると、そこは別世界でした。

映画だけではなく、地球上の巨大な風景を見た時に、人は魂を抜かれたかのような一時を味わうと思います。
例えば、地球上の自然で言えば、アメリカのグランド・キャニオンとか、南極大陸の地平線まで続く雪原とか、アルプス山脈の峰峰を見るとか、カナダの地平線まで続くツンドラの大地とか、、、
とにかく、今まで、自分の見たことの無い程の壮大な風景を見ても、人は思考能力を失う時があると思います。
魂がそれに抜き取られたかのように。

初めて映画イデオンを見た後に感じたものはそれでした。
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映画のラストでも、「最終的に、無限エネルギー『イデ』は、どうなったのか?」までは描かれていません。

私が察するに、新しい惑星での天地創造の状態から始める新たな人類の行く末を見守る存在になったのではないかと思います。
自分自身である、無限エネルギー『イデ』の有効活用を新たな人類に渡すかどうかを見定めるために。
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そして、ガンダムシリーズはテレビでも、その後、多く製作されています。
こちらは有名なので、多くの人も知っているでしょう。

しかし、対照的に、本作『伝説巨神イデオン』の1作のみです。
おそらく、後続が作られる事は無いと思います。

しかし、後にも先にも、「この1作のみである」という事が、今後、末永く、この映画が愛されるゆえんになるかと感じます。

「名作は何度も作られない」とでも言えるでしょうか。
また、最高峰とでも言えるような名画、劇、小説等は、そう何度も、世に現れないとでも感じてしまいます。

ですから、気のせいか、私の近所のレンタルDVDショップでも、『伝説巨神イデオン』のDVDが、棚にひっそりと、静かに立っているように感じるのですが、こう感じるのは、私一人だけでしょうか。
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当然、テレビ・シリーズを含めると、本作は長いストーリーを持っています。

その中には、人の悲しみ、喜び、憐れみ、そして、偉大さの数多くが語られています。

ガンダム・シリーズを見た人は多いでしょうが、『伝説巨神イデオン』を見た人は今では、もう年輩になっているかと思います。
ですので、ガンダム・シリーズが好きな人にも、本作の鑑賞を薦めたく思います。

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      伝説巨神イデオン エンディングテーマ 『コスモスに君と』

      作詞 - 井荻麟 / 作曲・編曲 - すぎやまこういち / 歌 - 戸田恵子

      コスモスに君と 歌:戸田恵子
      http://www.youtube.com/watch?v=nAiuoegFffk

コスモスに君と 歌:戸田恵子
YouTube: コスモスに君と 歌:戸田恵子

        たった一つの 星に捨てられ
        終わりない旅 君と歩むと
        いつくしみ ふと分けあって
        傷を舐め合う 道化芝居

        コスモス宇宙を かけぬけて
        祈りを今君のもとへ
        コスモス宇宙を かけぬけて
        祈りを今君のもとへ

        別れてみたら きっと楽だよ
        擦り減らす日々 君はいらない
        思いやり ふとあげて見る
        涙が枯れた 乾いた肌に

        コスモス宇宙を かけぬけて
        祈りを今君のもとへ
        コスモス宇宙を かけぬけて
        祈りを今君のもとへ

        死んだ後でも いつか見つかる
        生き続けたら 君は悲しい
        愛し合い ふと触合って
        思い出だけに 閉じ込めてみる

        コスモス宇宙を かけぬけて
        祈りを今君のもとへ
        コスモス宇宙を かけぬけて
        祈りを今君のもとへ

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        愛の弾丸

          涙は
          愛の
          弾丸か。

 

                                        坂本  誠
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