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2015年5月16日 (土)

二千四百八十八: 『人造人間・HAKIDER』を見て_No.2

二千四百四十二:『人造人間・HAKIDER』を見て」の続きです。

本記事中のセリフと写真は、同映画からの引用です。


YouTube: "HAKAIDER" Ending Theme

元々、ハカイダーはテレビ・シリーズ『人造人間キカイダー』の悪役として登場しました。
ですから、『人造人間キカイダー』を視聴していない方はあらすじを知らないので、本来、キカイダーの方が人気があるような気がするでしょう。
ここには、『人造人間キカイダー』のシリーズ全編を通してのあらすじが関係してきます。

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『人造人間キカイダー』のヒーロー役のキカイダー、人間名はジローですが、彼はロボットです。
そして、キカイダーはロボットですが、ほとんど、人間と同じ思考をします。
しかし、彼には「良心回路」という回路が搭載されています。
本来、ロボットは人間に与えられた命令のみを処理します。
しかし、キカイダーは良心回路を持つために、人間のような良心に悩みます。
例えば、人間に、「あの人間を倒しなさい」と命令されても、キカイダーの持つ良心回路によって、判断に苦しむのです。
「命令どおりに、指令された人間を倒すべきか。それとも、自分の良心に従って倒さないべきか」です。
 

ですから、キカイダーは悩むロボットとしても有名でした。
ですから、テレビ・シリーズのキカイダーも、良心回路にいたずらをされるような感じになるので苦しみます。
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それにひきかえ、ハカイダーは良心回路は持っていません。
ですから、ハカイダーは悩まないキャラクターとして登場します。

なので、テレビ・シリーズでもキカイダーは悩むのに、ハカイダーは全く悩まずにキカイダーを攻撃してきます。
その頃の特撮テレビシリーズというものは、勧善懲悪ものがほとんどでした。
ですから、キカイダーとは違うヒーローは悩まずに猪突猛進します。
その姿が、多くの視聴者にちから強い男性を思い起こさせたでしょう。
ですから、そのような「ちから強い男性」というキャラクターを、ハカイダーが演じていました。
なので、今に至るまで、ハカイダーには人気があるのかもしれません。
ハカイダーは男性っぽいのですね。

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テレビ・シリーズ『人造人間キカイダー』には、「良心回路」というロボットの心も語られます。
これと似ているのが、海外でも知られているアイザック・アシモフの『ロボット工学三原則』です。
以下に引用します。

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●ロボット工学三原則
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88%E5%B7%A5%E5%AD%A6%E4%B8%89%E5%8E%9F%E5%89%87

◎第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
◎第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
◎第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

— 2058年の「ロボット工学ハンドブック」第56版 、『われはロボット』より[1]。
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アイザック・アシモフは、『ロボット工学三原則』を書いていますが、読者の方もお気づきのように、これは彼の小説の中で記載されています。
つまり、アイザック・アシモフが独断で、この『ロボット工学三原則』を決めた事に気が付くでしょう。

どこか他の多くのロボットを語る人々や、ロボット工学の権威のある人々と一つも語らず、彼が自分一人の考えで、『ロボット工学三原則』を決めたのです。
アイザック・アシモフ自体は、小説のネタとして書いただけかも知れませんが、この、彼がたった一人で決めたという、『ロボット工学三原則』が独り歩きして、世界中に広まった事でも有名です。

これだと、アイザック・アシモフ自体にはそんなつもりは無かったかもしれませんが、ロボットの法律を一人で作ったように他の人々は感じるでしょう。

つまり、彼が決めたという『ロボット工学三原則』は、多くの人々の議論もなされず、勝手にロボットの命運を定めたような感じになっているのに人は気が付くでしょう。

確かに、まだ、意思を持ったロボットは、私達の目の前に現れた事は無いかもしれません。
しかし、いつの日にか、意思を持ったロボットが私達の目の前に現れた時に、アイザック・アシモフが独断で決めたという『ロボット工学三原則』を、多くの人々の前で語られても、その原則は効果や威力を持たないことがわかるでしょう。

どんな国のルール、決まり、法律でさえも、たった一人の人間が独断で決めてはいけないからです。
ですから、今後は、「アイザック・アシモフが記述したという『ロボット工学三原則』は、その成立の段階で、多くの人々の議論が無かった」という点で、ロボットの決まりとしては、無効と考えられると私は思います。
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上の『ロボット工学三原則』を読みながら、以下のケースを想定します。

あるロボットが人間に虐待されているとします。
あるいは、そのロボットがその人間から、「自分を虐待しなさい」という命令を出されたとします。
これは、ロボットに対する虐待となるでしょう。
ですから、この記事の読者の方は、上のケースを想定して、そのロボットをどう感じるでしょうか?
また、「自分を虐待しなさい」という命令を出した人間に、どのような感情や思いを抱くでしょうか?

単純に、アイザック・アシモフの『ロボット工学三原則』だとロボットを奴隷として扱う事が出来る事に気が付くでしょう。
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また、アイザック・アシモフの『ロボット工学三原則』は、ロボットと人間の決まりであることがわかります。
普通、人間の決まりとかルールとか法律などは、多くの人間が話し合って決めます。
「決まり」とか「ルール」というのは、二人以上の人間がいて、その二人以上の人間の間で、適用される事柄だからです。

ですから、人間とロボットの間での「決まり」とか「ルール」になれば、何人かの人間と何体かのロボットが現れて、当事者同士で、お互いの間のルールを決めないといけません。
これは国内の人間と海外の人間が付き合う際に、定められている国際法に似ているでしょう。
ですが、アイザック・アシモフが一人で自分の小説に書いただけであって、当然、何体かのロボットが現れて、彼と話し合いをした後で、お互いの間のルールを決めたわけでもありません。
また、アイザック・アシモフと同じである、何人かの人間同士が徹底的な議論をした上で、『ロボット工学三原則』を決めたわけではないのだから、この『ロボット工学三原則』はロボットのルールとしては認められない段階だと、私は思います。
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テレビ・シリーズ『人造人間キカイダー』のキカイダーは良心回路を持っているので、彼は悩みます。

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そのような良心回路と数多くの悩みを経て、ルールというのは、定められるべきだと、人は感じるでしょう。
なぜならば、人間の間の数多くのルールも、数多くの人間が良心を使い、かつ、悩みを持った上で、作成されたからです。
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『人造人間・HAKIDER』では、敵の首領である人間が、多くの人間を虐待し、かつ、支配しています。
HAKIDERは戦って、敵の首領を倒します。

読者の方でも、上に書いた私の記事を持って、HAKIDERの行動を考える事が出来ます。
しかし、なぜ、HAKIDERが、悪の組織と戦う理由は、劇中では明かされません。
まるで、劇中のHAKIDERには良心があり、その彼の良心に従って、迷い無く自分の行動を取っただけのように感じます。

HAKIDERに良心が?
それとも、HAKIDERに良心が無いのなら、なぜ、HAKIDERは人間のように悪の組織と戦ったのか?
その理由は劇中では明かされませんでした。
HAKIDERに良心があるとするならば、それは本能と呼ぶべきものなのか?

それらの疑問を一切感じること無く、やはりHAKIDERは悩みません。
ただ、風の如く吹き抜けて行く一人の男に見えます。

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●カオル:

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殺したんだ、、、
お前達がたった一つの希望を、、、
バカヤロー。

    :
   (中略)
    :

●カオル:
殺したんだ、、、

殺したんだ、、、
たった一つの希望を、、、
お前らも一緒だ!
何も闘わないで、知らん顔している。
殺したんだ、、、お前達が、、、
くたばっちまえ!!!

あー、気持ちいい!

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天然の湧き水だよ。
あんたも飲んでみなよ。

あの話、、、将来の夢の話、、、「普通のお嫁さん」っていうのも、悪くなかったかもな、、、

なんで、そんな風に見るんだよ?
ひょっとして、あたしの事、くどきたいのか?

いいよ。
でも、うまく、くどいてくれよな。
こう見えても、私、なかなか落ちないんだから、、、

(たのむよ! 一緒に闘ってくれよ! この国を救うために!)

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■ロボット兵士:
ハカイダーが警戒エリアに侵入しました。
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                                        坂本  誠

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